最近の活動
私が10年前、中学三年時に指導していた、東京藝術大学の佐藤克彦くんの大分県日田市での卒業記念リサイタルが無事終わりました。滝廉太郎からオペラまで幅広い選曲。友人たちとの曲も多く、選曲や成長ぶりに涙がこぼれてしまうところもありました。彼も、「先生を見つけて涙が出そうになりました」と。
10年前、病に伏していた頃、私のピアノの先生の息子さんである克彦くんの勉強と小論文の指導をしていました。
私も体調がギリギリで、時に横になりながら彼の勉強や文章に向き合いました。彼は相当の頑張りを見せたものの、ギリギリのところで進学高への入学は逃しました。ただその後の切り替えが素晴らしく、小論文とピアノの猛特訓で音楽専門の高校に、小論文満点で合格していきました。
音楽とは何か、自分の良いところは、足りないものは。将来どんなひとになりたいか。必死で向き合って文章を書く彼を伴走したことは、いまの有村文章塾の、文章添削の原点ともなっています。
祖父が亡くなる前年には、私の無理なお願いをきいてくれ、わざわざ東京から大分の日田まで足を運び祖父のいた老人ホームで小さなリサイタルを開いてくれたこともありました。
祖父の喜んだ顔は今でも忘れられませんし、あのとき涙して喜んだホーム利用者さんの歓声や笑顔が、克彦くんの力になっていたら、と思っています。
これから修士課程にすすみ、オペラの道に進む彼。辛い道かもしれませんが、その後ろに故郷の、そして天国の私の祖父母からのエールがあることを忘れないでいてほしいです。
それにしても英語もおぼつかなかった彼が、堂々とイタリア語、ドイツ語、フランス語のオペラを歌う姿にはさすがのため息でした。
いつか、彼の出演するオペラを観にいくことがまた新しい夢になりました。
3/20、よく晴れた春らしい日に西南学院大で卒業式が行われました。先生と呼んでもらい、就活のお手伝いをするようになって今年で5年ですが、今年はロースクールの対策講座も持ったのでさらに教え子が増えました。それでも毎年送り出すことには慣れません。
就活が終わってからも多くの4年生が学生のアシスタントとして講座のアシストをしてくれました。就活の経験や、後輩にそれを伝える経験が、彼らの成長につながったらこれ以上の幸せはありません。
おめでとう、そして、ありがとう。
まずは、一歩。
いつまでも皆さんの人生が実り多きものになることを心から祈っています。
つらいときは、あの時書いた自己PRを思い出して、少しでも自信を持ってもらえたら。
私の唯一の著書、「あっこと僕らが生きた夏」は、東日本大震災のとき病室にいて、記者として現場に赴けなかった26歳の私の、震災への思いを込めた一冊でもあります。
建物の下で、津波の中で失われた全ての命に、あっこちゃんのような夢や友情や愛があったこと、当時の病床の私が必死で綴った本でした。今でもAmazonなどから古本で入手が可能です。とても拙い文ですが、込めた思いが皆様に伝われば本望です。
続編、取材を続けます。
今年の夏、西南学院大のロースクール閉鎖の影響で、西南の既修過程を受験予定だったものの、道が絶たれ他の大学を未修過程で受験する学生が多く出ました。この事態を受け、学部からのご依頼で、彼らの小論文と志望理由書などの文章の指導を行いましたが、このたび指導した7人全員がロースクールに合格いたしました。
進学先は九州大学5名、福岡大学1名、関西学院大1名。それぞれ他の私大にも合格していました。
なぜ法曹を目指すのか、どんな法曹人となるのか。さらに小論文をいかに伝わる文章で書くか、2ヶ月半の短期間でしたが、めきめきと力をつけていく学生さんたちに、こちらも励まされました。
これから、学生たちが、心ある法曹人となってくれることを、心から応援したいと思います。
西南学院大で就活講座を持つようになって5年。卒業生たちも社会人4年目を迎えようとしています。そこで、単なる就活セミナー的な位置付けでなく、働くとは、その喜びとは、つらさとは何か、リアルな声を聞ける場を作ろうと、歴代のOBと現役の就活生が本音を話せる場を、5年目にしてやっと開くことができました。念願です。
集まってくれたのは、旅行、銀行、保険、食品など多様な業種のOBOG7名。
2016年卒業3名、2017年卒業2名、2018年卒2名。
休みにもかかわらず、真剣に本音を話してくれました。
会社からの指示で参加するセミナーや座談会と違って、「就活生に生の声を届けたい」という先輩たちの熱い気持ちが、後輩たちにも届いたようで「普段のイベントでは聞けないリアルな声が聞けてよかった」「業界が決まっていなくて不安だったけど、なんとなく道が見えた気がする」と嬉しい反応がありました。
社会人になるということ。目先の「就活」でなく、働くことの意味や意義を感じてもらえる会にできたならいいな、とその後の食事会なども終えて、改めて思い、来年も開催したいと思っています。